一人の人間としての生き方
魚柄仁之助さんの本は面白い。生きる事を自分で考え、工夫し、楽しんで生きているという事が伝わってくるからだ。かといって彼にしかできないのではとういうことばかりではなく、普通の人もこうすりゃあ簡単にこんな事もできるようになるし楽しいのでは?という観点で書かれているからだと思う。 本書は魚柄さんが生きる事をどの様にとらえ、暮らしてきたのかが良く分かる作品になっている。読むほどに「シンプル生活」なんて甘っちょろいものを寓想化して目指している人ではなく、自分の満足を感じるために生きているために結果としてシンプルな生活をしている人だとわかる。それがかっこいい。 冒頭の文書からぐっと引き付けられて一気に読める作品です。ぜひ一読を!
自分の価値観を持つことの重要性
魚柄氏の著作は、「ひと月9000円」をはじめ多く読んできたが、本書はその中でも秀逸に思う。それは小手先の料理や健康、古道具のノウハウではなく、氏の行動や思考の根底にある基準が明確に記されているためである。自分の価値観に照らし合わせて、自分が本当にやりたいことを全部やっている魚柄氏は、これからの不確定な時代を生きていく上での指針を読者に与えてくれる。軽い北九州弁での記述の中に深い人生哲学を感じるのである。
個人的な体験を基に広く皆にも通じる「実学」を導いている。
書名から、情報管理のノウハウ、あるいは道学めいた内容なのかと目次を見るに、ギター、瓶、ソーダサイフォンなど、著者の趣味の蘊蓄らしきものが雑然と並んでいる。「こんな話、興味を同じくしない者に何の役に立つのか?」と思ったが、読み始めるとイヤこれが滅法おもしろいのだ。遊び心を忘れず、かつ自助の精神をもって創意工夫を凝らす魚柄さんは、個人的な体験を基に広く皆にも通じる「実学」を導いている。元気の出る快著。
光文社
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