金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)



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金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)
金融工学の挑戦―テクノコマース化するビジネス (中公新書)

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年の功による体験が非常に面白い

東工大(当時)の今野先生による金融工学の入門書。面白い読み物としての価値が高い。オプションの仕組みなどの説明はわかりやすいものではあるが、本書が特別に優れているわけではないし、縦書きの本であることもネックとなっている。

その一方で、読み物としての面白さは僕が読んだ中では本書がダントツのNo.1である。日本における金融工学の歴史を現場で体験した(というか引っ張ってきた)著者でなければなかなか表現できない面白さだろう。昔のグラフ理論のように日本の数理ファイナンスを引っ張ってきたのが工学部の一部の研究者であること、当時の経済学部や当時の銀行の連中のダメっぷり、重箱の隅でも机上の空論でも上司の命令でもない専門的な内容を現場で体験してきた経験。ものすごく面白い。ムッチャクチャ面白い。

確か評者が本書を買ったのは、出版の少し後に著者の今野氏とお話しする機会(若造に「教えてくれ」と言ってきた!)があったのがきっかけなんだけど、今まで読んでいなかったことをかなり後悔。
金融工学への挑戦者!

 日本の金融工学の草分け的存在である筆者から見た、相場の世界を科学的に解明しようとする野心を燃やす人たちの紹介です。
 筆者本人の金融工学を手がける経緯などもユーモラスな文体で書かれており、金融工学の研究が身近に感じられて、楽しいです。
 金融工学を学ぶ人にとっては良い息抜きに、全く知らない人にはどのような人がこの分野を研究しているのかを知る手がかりになるでしょう。
 また、巻末にあげられた参考文献も役に立ちます。

金融工学のとっかかりとしてよさそう

以前「金融工学とは何か」(刈屋武昭著,岩波新書)を読んだときは,「金融工学というのはなんだかよく分からないし難しい」という印象でした.刈屋先生もこの分野の権威のようですが,読みやすさの点では本書の方が一枚上手です.金融工学をざっと知るにはよいのではないかと思います.

金融と数理工学の話ですので,話題としては硬い話です.しかし,教科書ではありませんので,非常に身近な話題を例題とし,しかもユーモアを交えて書かれており楽しく読むことができます.

また,これまで金融工学を確立してきた先人たちを紹介し,金融工学の歴史と金融全般における位置づけを明確にしていることで,何のために金融工学なる学問が存在するのかというのがよく分かりました.
身の周りがリスクだらけだと気づいたオトーサンにお勧めする本。その3

著者の今野浩氏は、「金融工学とはなにか」を表わした刈屋武昭氏が初代会長を務めたジャフィーの2代目会長。「金融工学とはなにか」より数式が多いが、なにも恐れることはありません。最新の金融工学のエッセンスに触れるには格好の本と言えます。

是非、「金融工学とはなにか」、「金融工学、こんなに面白い」と連続して読んでいただきたい本です。磐石と信じていた日本社会の構造、特に金融がいかに規制下で安穏として存在していたか。危うい日本で自分の資産を守るにはどうするか。これらの本を読んで自分たちのレベルを高めるほかはないと思います。はい。
中級者にとっては良質なエッセイ

 本書の評価は、読者の知識レベルと、本書に何を求めるかによって分かれるだろう。
 CAPMが何であるかおよそ理解しているレベルの読者にとっては、本書は良質なエッセイである。

 しかし、金融工学をこれから勉強しようとしている読者に、本書が理解できるかどうかはやや疑問である。はしがきに「金融工学のエッセンスをなるべく数式に頼らず紹介することにした」とあるが、評者の経験から言えば、金融工学的な感覚は、自ら数式を展開するなどしなければ、なかなか身に付かないものである。

 そのような意味で、本書は初心者には難解、中級者には知っていることは分かるが知らないことは分からないという、この類の書物の典型的な短所から免れていない。
 とはいえ、エッセイと割り切ってしまえば、読んで楽しい書物である。



中央公論新社
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